以上で論理回路入門は完了になります。お疲れ様でした。
- 第一章では、論理回路入門で学ぶ内容を俯瞰しました
- 第二章では、論理回路の基本となる AND, OR, NOT 素子を学びました
- 第三章では、論理素子を使って半加算器を実装しました
- 第四章では、半加算器をもとに全加算器を実装しました
- 第五章では、全加算器を繋げ、LED とスイッチを繋ぐことで簡単な計算機を実装しました
- 第六章では、セレクタを使って信号を切り替える方法を学びました
- 第七章では、フリップフロップという基本的な記憶回路を学びました
- 第八章では、フリップフロップを使いカウンタを作りました
- 第九章では、最終章で作るコンピュータの設計を行いました
- 第十章では、前章の設計をもとにコンピュータを完成させました
これらの学んだことは、より高度なコンピュータを設計するための基礎になります。この記事で作ったコンピュータはたった三種類の命令しか実行できませんが、現実のコンピュータは何百もの命令を実行することができます。どのような命令があると便利か、そしてそれをどのように実現していくかはコンピュータアーキテクチャの分野になります。発展的なコンピュータアーキテクチャについての話題も今後新たな記事で紹介していく予定です。知りたい方はそれまで待っていただくか、以下の読書案内をご参照ください。
論理回路およびコンピュータアーキテクチャについて学ぶために有用な本をいくつか紹介します。
CPU の作り方が基本的な内容から丁寧に解説されている名著です。
語り口調がくだけており、イラストが豊富なので、書店でパラパラと立ち読みするだけだとふざけた本かと勘違いしてしまうかもしれませんが、決してそんなことはありません。半端な専門書よりも丁寧に奥深く解説しているので得られるものは非常に多いです。
専門書では端折ってしまうような当たり前のことから丁寧な解説があるので、いきなり訳がわからず挫折してしまうということも少ないかと思います。
論理回路について独学するなら一番におすすめできる名著です。
コンピュータアーキテクチャの大家であるデイビット・パターソンとジョン・ヘネシーにより書かれた古典的名著です。日本では「パタヘネ」という愛称で親しまれています。コンピュータアーキテクチャについてはこの本無しには語れないというくらい決定版の教科書です。どれほどの名著かは第五版まで出ていることからも明らかかと思います。
上下巻からなり、論理回路の基本的な話題については下巻の付録によくまとまっています。
古くからある本ではありますが、版を重ねるにつれて内容も刷新されているので内容も古臭さは一切感じません。
本腰を入れてコンピュータアーキテクチャを学ぶのであればマスト・バイな一冊です。